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瀧谷 啓晃
原子力バックエンド研究(CD-ROM), 30(2), p.66 - 71, 2023/12
日本原子力研究開発機構(JAEA)では、所期の研究目標の達成や施設の老朽化等によって、現存する原子力施設の半数が廃止措置に移行しており、原子力施設の解体から放射性廃棄物の処理処分までの廃止措置に係るバックエンド対策を安全かつ効率的、合理的に実施していかなければならない。バックエンド統括本部では、各拠点と連携して、総合的なバックエンド対策計画の企画・推進及び研究施設等廃棄物の埋設事業の推進に取り組むとともに、バックエンド対策に係る共通的な課題の解決に向けた技術開発や人材育成等に取り組んでいる。廃止措置は長期間にわたるプロジェクトであることから、将来にわたって専門人材を確保していくことが重要である。本稿ではJAEAにおける廃止措置に係る人材育成の取り組みについて紹介する。
牧野 仁史; 仙波 毅; 柴田 雅博
NEA/RWM/R(2018)7 (Internet), p.315 - 322, 2022/11
原子力機構(JAEA)による先進的なKMSの開発に係る挑戦について、JAEA KMSの開発の背景、開発のアプローチ、開発したプロトタイプの紹介を含めてまとめる。あわせて、JAEA KMSの導入と持続的なメンテナンス等の実施のための挑戦や実務的な課題についてまとめる。
佐藤 有司; 山本 耕輔; 樽田 泰宜
JAEA-Review 2021-024, 33 Pages, 2021/11
新型転換炉原型炉ふげん(以下「ふげん」という。)は、廃止措置に係わる技術開発を計画・実施するにあたり、「ふげん」を国内外に開かれた技術開発の場及び福井県における研究開発の拠点として十分に活用するとともに、当該技術開発で得られる成果を有効に活用することを目的として、日本原子力研究開発機構内外の有識者で構成される「ふげん廃止措置技術専門委員会」を設置している。本稿は、令和2年度に開催した第38回ふげん廃止措置技術専門委員会において「ふげん」から報告した"廃止措置の状況"、"クリアランスの除染実績を踏まえた今後の対応"及び"ふげん廃止措置知識マネジメント"について資料集としてまとめたものである。
樽田 泰宜; 柳原 敏*; 橋本 敬*; 小林 重人*; 井口 幸弘; 北村 高一; 香田 有哉; 友田 光一
Proceedings of 2020 International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 2020) (Internet), 8 Pages, 2020/08
廃止措置は長期的なプロジェクトであり、完遂までには世代交代が予想される。そのため、知識と技術を次世代に適切に継承する必要がある。近年、廃止措置の世界では、知識マネジメントや仮想現実の活用など高度な技術を適用する試みが行われている。本研究では廃止措置における知識マネジメントとデジタルツインの関係について論じる。
樽田 泰宜; 柳原 敏*; 井口 幸弘; 北村 高一; 手塚 将志; 香田 有哉
知識共創(インターネット), 8, p.IV 2_1 - IV 2_12, 2018/08
原子力知識マネジメント(NKM)は2002年にIAEAが組織力の強化という文脈で原子力知識の重要性を勧告したことから始まる。IAEAの提案するNKMに対しては理論的な側面は十分に検討されていない点や、主要な概念や手法などが十分に定義されておらず科学的な一貫性が欠如しているという指摘がある(Kanke 2016)。例えば、原子炉施設のライフサイクルには設計、建設、運転、廃止(措置)がある。NKMというアイデアは、炉の情報・歴史を保存、次の炉での活用、廃止措置段階で過去情報へのアクセス、課題解決や新しい知識の創造といった側面で有効に機能するであろう。しかし、2002年当初は原子力知識の強化という文脈であり、そこに管理(management)という文脈を付加したような情報管理に傾注する傾向があり、KMという知識の創造が十分に研究されていない。また、Kankeが指摘するように理論的側面には議論の余地が多く残されている。本研究ではKM分野の学術の裾野の拡張を射程とし、今後の原子力分野における知識マネジメントの位置づけを明確化することでNKMを発展させることを目的に、システム科学的な視点で検討すべき課題を整理及び同定し、NKM研究の議論を深める。
手塚 将志; 樽田 泰宜; 香田 有哉
デコミッショニング技報, (56), p.46 - 54, 2017/09
原子力施設の廃止措置は、長期に亘るプロジェクトであり、高経年化が進む国内では使命を終えた施設から順次、着手していくこととなる。また、廃止措置の実施にあたっては、設計、建設、運転時代のプラント情報等が必要となることに加え、実施過程を通して得られる技術、データ、知見、経験、文書等を効果的に活用していくことが不可欠である。一方、各原子力施設の現場では、建設・使用前検査段階や運転・保守に携わってきた世代が高齢化とともに退職を迎えることにより、この世代が経験的に保有してきた情報やノウハウ等が失われる懸念がある。こうした背景を踏まえ、2008年に廃止措置計画の認可を得て、現在、廃止措置を実施中である原子炉廃止措置研究開発センター(以下「ふげん」という。)では、今後の廃止措置を安全かつ合理的に実施していくために、人材育成とともに次世代へ技術・知識を継承する取組みとして知識マネジメントシステムの構築を進めている。また、本システムは、「ふげん」を素材としたプロトタイプを基盤とし、今後の廃止措置施設に活用できるよう汎用性のあるシステム構築を目指すものである。
井口 幸弘
no journal, ,
「ふげん」の廃止措置プロジェクトについて、概要、廃止措置計画を述べるとともに、「ふげん」の廃止措置技術と進捗状況として、(1)プラント調査技術(インベントリ評価)、(2)系統除染、(3)トリチウム除去、(4)タービン設備の解体、(5)原子炉本体解体技術の開発、(6)廃棄物管理、(7)システムエンジニアリング技術を説明。これに加えて、知識マネジメントについての取り組み計画を述べる。
井口 幸弘; 柳原 敏*; 手塚 将志; 香田 有哉; 加藤 靖章
no journal, ,
施設の廃止措置を進めている「ふげん」を対象に、知識マネジメント支援システムの構築、およびその有効性を評価する。具体的には、「ふげん」を通常の原子力施設の廃止措置の事例として、必要となる知識を抽出する手法、職員の技術的な経歴情報や個人の廃止措置に関する業務上の知識を引き出し、共有するための仕組みについて検討を実施した。
井口 幸弘; 柳原 敏*; 手塚 将志; 香田 有哉; 加藤 靖章
no journal, ,
「ふげん」では、職員が持つ知識や技術を次の世代へと継承するために廃止措置に係る知識マネジメントの取り組みを行っている。その一環として、「ふげん」の3次元CADデータと仮想現実(VR)・拡張現実(AR)技術を組み合わせた知識継承の方法を検討し、支援システムの開発を実施している。
加藤 靖章; 井口 幸弘; 手塚 将志; 香田 有哉; 柳原 敏*; 溝口 理一郎*
no journal, ,
原子力施設の廃止措置は長期に渡るプロジェクトであり、その間に蓄積される文書、資料、データや、業務に携わった技術者の持つ経験、ノウハウは膨大な量となる。このような知的資源を次世代に継承し、適切な利用を支援する取組みの一環として、オントロジー工学を活用した知識探索システムを開発する。具体的には、廃止措置業務をモデル化したタスクオントロジー(業務の概念体系)を構築し、知識マネジメントシステムを構成する高度な検索機能のプロトタイプシステムの開発を実施した。
樽田 泰宜; 加藤 靖章; 柳原 敏*; 井口 幸弘; 手塚 将志; 北村 高一; 香田 有哉; 溝口 理一郎*
no journal, ,
「ふげん」では長期間にわたる廃止措置をより安全で円滑に行うために、知識マネジメントの取組を進めてきた。特に、2015年からは原子力知識マネジメントの発展を射程としたふげんのプロトタイプ・システムの開発を行ってきた。そこで、これまでの取り組みから得た知見と今後の課題について検討する。
樽田 泰宜; 溝口 理一郎*; 柳原 敏*; 井口 幸弘; 手塚 将志; 北村 高一; 香田 有哉
no journal, ,
「ふげん」は、福井県敦賀市に位置する原型炉であり、1978年に臨界、2003年に運転停止、2008年には国の認可を受けて廃止措置に入った。近年、ベテラン職員の退職や、炉の運転経験のない職員も多くいる。汎用運転研修施設もあるが、新型転換炉(ATR)であるふげんで培われてきた様々な技術・知識の喪失が懸念されている。そこで、オントロジーを活用した知識・技術の継承を検討する。
樽田 泰宜; 柳原 敏*; 井口 幸弘; 北村 高一; 手塚 将志; 香田 有哉
no journal, ,
「ふげん」は2008年に廃止措置計画の認可を受けて、廃止措置業務および解体作業を進めている。「ふげん」では原型炉としての原子力発電施設時代からの多くの情報が存在している。また、建設当時の状況を知っている職員が定年退職の時期を迎えており、知識・技術・技能等の継承などの課題がある。こうした問題は「ふげん」特有ではなく、今後、他のプラントで廃止措置が進むにつれて同様に指摘されると考えられる。しかし、こうした課題は一度に単一の方法では解決が難しい。近年は原子力知識マネジメントという大きな枠組みで情報の管理・保存・活用などに対してIAEAが中心となり取り組む試みもある。そこで本研究では技術等の継承課題に対してSWOT手法を応用した試験的な取り組みに関して論じる。
樽田 泰宜; 柳原 敏*; 井口 幸弘; 北村 高一; 手塚 将志; 香田 有哉
no journal, ,
人工知能研究の一つに、特に産業ドメインを対象にした「知識・技術・技能の伝承支援研究会」(SIG-KST)が行われている。これは団塊の世代の大量退職による知識・技術・技能(知識等)の喪失課題が背景にある。団塊の世代は、産業ドメインに長く従事しており熟練・熟達した知識等を保有しているが、うまく伝承する仕組みがない。一方、伝承研究にはナレッジマネジメント(Knowledge Management: KM)の側面もあり、対象となる知識や情報を形式知(Explicit knowledge)として明確に表現することが進められている。そこには暗黙知(Tacit knowledge)と呼ばれるような属人的な知識も含まれている。先行研究では、身体知の可視化や産業ドメインの知識を明示化してきている。しかし、伝承研究をメタ的に捉える研究は少なく、議論の余地も多い。そこで本研究では、伝承研究と人工知能研究の発展を射程に、この研究領域をメタ的に認知するためのモデルを提案する。
樽田 泰宜; 川崎 大介*; 柳原 敏*
no journal, ,
近年、仮想現実(VR)の世界が情報技術の発達やスマートフォンの高性能化により、より身近なものとなっている。原子力の世界では、VRdoseという3D-CADデータを活用した解体等のシミュレーションが可能なソフトウェアが2000年代より開発されている。今後、多くの原子力施設の廃止措置が進行する状況下において、より安全で確実な作業を実施するには多様な側面から検討することが望ましい。そこで本研究では、同VRdoseが廃止措置にどのように貢献するのかを明らかにすることを目的とする。具体的には、VRdoseでシミュレート、現場観察、ヒアリングを実施し評価を行う。結果として解体計画の立案に関してコミュニケーションツールとして活用できることが分かった。今後は、解体計画立案者, 作業員, 放射線管理者などの多様な立場のプロジェクト従事者間のコミュニケーションを促進させるための方策を検討することが重要である。
樽田 泰宜; 井口 幸弘; 柳原 敏*
no journal, ,
「ふげん」では1999年からIFEと協力をしてVRソフトウェア(VRdose)の研究開発を行ってきた。近年は、計算機の能力も向上して一般的な計算機でも3Dモデルも十分に扱えるようにはなってきている。原子力分野において先進的なソフトウェアの活用は重要であると同時に運用には工夫も必要である。本研究では、原子力分野においてVRソフトウェアの効果的な活用方策について論じた。結果として、VRにおける高い再現性は重要であるが、今後の廃止措置における円滑な情報授受に関する知識マネジメント的な観点で論じることでコミュニケーションツールとしての役割といった新たな観点を指摘した。
Zhao, Q.*; 樽田 泰宜; 小林 重人*; 橋本 敬*
no journal, ,
近年、原子炉発電施設は、計画運転が終了し、発電フェーズから廃止措置に移行する炉が増えてくると予想されている。こうした炉では、これまでの発電業務とは異なる廃止措置業務に従事せざるを得ない状況下にある。運転経験を通じて身につけた知識や技術が廃止措置業務で、役立たせることができなければ、それらは伝承されずに喪失してしまう。本研究では、廃止措置中にある原子力発電施設「ふげん」を対象に、知識等の伝承に関して世代継承性という観点に着目し、技術や知識の継承の背景やそれらを円滑化することを目指した心理社会的側面を明らかにすることを目的とする。
樽田 泰宜; Zhao, Q.*; 小林 重人*; 橋本 敬*
no journal, ,
福井県敦賀市の廃止措置中の新型転換炉原型炉ふげんを対象に、イントラネットを活用した情報収集を実施した。特に、廃止措置は長期間のプロジェクトであり世代交代も念頭に入れる必要がある。そこで世代継承や知識継承に関する社会的調査を実施した。
樽田 泰宜; 川崎 大介*; 柳原 敏*; 井口 幸弘; 香田 有哉; 友田 光一
no journal, ,
本研究は、廃止措置知識マネジメントにおける知識表現として、意味ネットワークに着目した。知識マネジメントでは、情報管理だけでなく知識創造も内包しており、適切な知識表現は重要な課題である。今回は、過去情報の表現に対して意味ネットワークやオントロジーから検討を行った。
田中 正暁; 堂田 哲広; 浜瀬 枝里菜; 吉村 一夫; 江連 俊樹; 関 暁之; 横山 賢治; 宮崎 真之; 大木 繁夫
no journal, ,
設計最適化プロセスを支援するツールARKADIA-Designを開発している。本報では、プラント状態分析のための解析評価や設計最適化プロセスの実行において、必要な情報を取得し、かつ、結果を新たな知識として格納するための知識マネジメントシステムとの連携機能の全体構成と整備状況について報告する。
樽田 泰宜; 小林 重人*; 橋本 敬*
no journal, ,
廃止措置は、長期のプロジェクトであり、廃止措置完了までは従事する人の世代交代が発生するため知識等を適切に伝達することが大切である。本研究では、廃止措置の従事者を対象にそれらの効率的な授受に向けて「世代継承」に着目する。これについては、ジェネラティビティという「新しいものを生み出し、育て、次世代に伝えていく力」という概念を切り口に、新型転換炉原型炉ふげんにて調査を実施した。この結果、プラント運転の知識等が活用できているとの回答を得ている。今回は、さらに「ふげん」の運転経験者を対象にしたフォーカスグループインタビューから廃止措置の準備期間や廃止措置を運転の次のステップとして捉えているような向きがあることを明らかにした。今後は、若手職員への追加調査を実施し、意識の差異やジェネラティビティに影響を与える要素・因子等を明らかにする。